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ジャパンインターナショナルボートショー2023 特別取材REPORT

担当者に直撃インタビュー! トヨタの新艇「PONAM-31Z」の魅力とは?

トヨタ自動車株式会社
マリン事業室 企画・開発グループ
主任 前谷 直紀 様

トヨタ自動車株式会社
マリン事業室 企画・開発グループ
主任 前谷 直紀 様

トヨタ自動車株式会社マリン事業室の企画・開発グループに所属。船の企画や開発のほか、広報・プロモーションの役割も担っている部門を担当している前谷さんに今回は、トヨタの新艇「PONAM-31Z」について詳しくお伺いしました。

よろしくお願いします! 前谷さんはどのようなお仕事を担っておられるのでしょうか?

トヨタにあるマリン事業室の企画・開発グループに所属しています。船の企画や開発のほか、広報・プロモーションの役割も担っている部門です。

前谷さんご自身もボートに乗られるんですか?

そうですね。小型のものですが、普段からボートで海に出て、釣りをしたりしていますよ。

船に興味を持ち始めたきっかけは何だったのでしょう?

実はインドネシアに駐在していた経験があるんです。その時期に、地元の漁師さんと船を動かしながら釣りをしたりするようになりました。そこで船を出す楽しさを知ったのがきっかけです。

マリンレジャーの魅力に取りつかれたんですね。

はい。普段の生活の中では船などを目にする機会はあまりないと思いますが、だからこそ、自分で使い始めると全てが非日常になるんですよ。見たことのない景色が見られるというか。そこが一番の魅力です。また、ボート業界は狭いぶん、各社のつながりが深い。いろいろなところで協力しながら業界全体を盛り上げていこうという雰囲気があります。良い競争ができているな、と日々感じています。

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トヨタは「EVファースト」のコンセプトを打ち出しているかと思いますが、ボートに関しても電動化推進の動きがあるのでしょうか。

まず大前提として、私たちはモビリティカンパニーへの変革を掲げています。ただ自動車を売る会社ではなく、あらゆる移動を助けることでユーザーの幸せを量産していくような会社になろう、という理念です。その一環に、船も位置づけられています。地球の表面の約7割は海ですから、海におけるモビリティは非常に重要なんです。そうしたなかで、船のEV化についてもまさに取り組んでいるところですね。まだコンセプト艇の段階ではありますが、28フィートのハイブリッド艇を開発しています。先行している自動車の技術を追いかけるような形で、船も新たな技術革新に挑戦しています。

いずれは完全な電動化もあり得るのでしょうか。

すでに海外のメーカーで開発されてはいますね。ただ、充電環境などの面で自動車以上に難しい課題があるのも事実です。

なるほど。
では次に、ボート業界を取り巻く市場環境についてお聞きします。コロナ禍で、密を避けて楽しむことができるマリンレジャーの人気が高まったといわれていますが、実際の感触はいかがでしたか?

おっしゃる通り、すごく伸びましたね。船舶免許の取得者が増えていますし、船のレンタル事業も伸びているという話を聞いています。私どもの受注数も非常に多くなっているのですが……。このところの材料費高騰や、物品の不足といった苦しみもあるのが実情なんです。伸びた需要に供給が追いついておらず、誠に心苦しいのですが、お客様をお待たせしてしまっているような状況です。

コロナが落ち着いたことで、業界に吹いていた追い風がやむという見方もできるかと思います。今後をどう見通していらっしゃいますか?

キャンプ業界に近いイメージかな、と考えています。コロナ禍でキャンプの楽しさを知った方たちは、これからもキャンプを楽しむ。それと同じように、ボートの楽しさを経験した方たちは変わらず興味を持ち続けてくださるのではないかと思います。その一方で、注文をしたのに船がなかなか届かないというような状況にある方に関しては、楽しさを知る前に離れてしまうかもしれないといった懸念はありますね。

ここからは、新艇「PONAM-31Z」について教えていただければと思います。

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こちらは、以前から販売していた「PONAM-31X」の1つ上のグレードになります。トヨタのSUV「ランドクルーザープラド」の海外仕様のエンジンをマリン用に改造したものを2機搭載しています。非常に信頼性が高いディーゼルエンジンです。また、アルミハルの採用も大きなポイント。主流のFRPに比べて強度が高く、波当たりが良い。それによって、静かで、気持ちよく走れる特徴があります。これも、トヨタが掲げてきた「FUN TO DRIVE」の思想を船に盛り込んだものといえますね。室内空間が大きく、幅広い使い方ができるのも魅力。釣りやパーティー、さらにワーケーション用途なども想定したつくりになっています。

外観もすごくカッコいいです。

ありがとうございます! このZグレードでは、ツートンカラーを採用しています。白い船が多いなかでは特徴的かもしれませんね。デザインに関しては、自動車のドレスアップパーツを手がけるモデリスタとコラボレーションしているんです。シルキーゴールドのアクセントなどもモデリスタのデザイナーが考案したもので、洗練さを際立たせています。

どのような層をターゲットにしているのでしょうか。

団塊の世代の1つ下の世代に、スタイリッシュに乗っていただきたいと考えて、そうした世代に響くようなデザインになっています。購入されるのは企業の経営者が多いのですが、代替わりで経営者が若返っている傾向がありますので、そのようなターゲットを想定しています。

販売目標などはありますか?

「PONAM-31Z」に関しては、年間20艇ほどが販売目標です。ただ先ほども申し上げた通り、受注をいただくよりも製造することのほうがなかなか難しい状況。可能な限り早く、ご購入者のもとにお届けできるよう努力したいと思っています。

前谷さん、取材にご協力いただき、ありがとうございました!

イージーボートでは、今回インタビューさせていただいたトヨタのボートも多数掲載しています。

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