3月3日から6日の4日間、『ジャパン インターナショナル ボートショー 2016』が開催されました。会場となったパシフィコ横浜では、昨年に引き続き『知って得する船外機講座』やボートフィッシングセミナーなど、実践的な講座を数多く開催。活性化が期待される国内メーカーの動向においては、トヨタとヤンマーの乗務提携や、ヤマハ、トヨタなどのOEM提携で実績のあるニュージャパンマリンがプレジャーボート市場参入が発表されるなど、新たなニュースも飛び込んできました。第2会場のYBMには、独自性とベクトルのはっきりした輸入艇のレベルの高さを肌で感じられるラインナップがズラリ。そんなボートショーの模様をレポートします。
SRV-23はハルカラーにオーニングをコーディネート。EGは新品同様。ライトフィッシング、家族向けの一艇(トイレ付)。14年式のYF-24は1オーナー艇で状態は「フル装備の新艇といった感じ。すぐにでも出航できます」(スタッフの伊東さん)。オリジナルの赤ガンネルと同色のTトップが印象的なYF-21は新品EG搭載。走りも滑らかでシーバスも底釣りもOK。YFは新造されないモデルなので希少価値も上がりそう。販売店詳細はこちら >>
F300を搭載したS-QUALOは新艇同様。艇体デザイン・内装も良く、エアコン装備で全シーズン快適。27フィートというサイズ以上に広く感じられるサロンも家族ウケしそうなモデルだ。トップスピードは31ノット。FR-23は陸置艇で状態も良く、エンジンはF175の新品に換装。その他、キャビンシートやサイドパット、LED航海灯、キャビンカーペット、パワーメイト200W、バウスプリットなども新品の買い得艇。販売店詳細はこちら >>
F70もしくはF50の新品EGをチョイスできるUF-21はスマートなスタイルと手軽さ、取り回しの良さで人気の高いセンターコンソーラーモデルだ。トップスピードはF70で25ノットあたり、F50で20ノットあたりが目安。AS-21は色んな遊びに対応できるセンターウォークアラウンドのパルチパーパスボート。新品のオーニング、航海灯、トランサムステップ、トイレ、GPS魚探などを装備。価格的にもエントリー層向け。販売店詳細はこちら >>
トレーラブルサイズのコンパクトボディで、気楽に釣行に出かけられるのがこのフネのストロングポイント。エンジンはヤマハの50HP、小気味の良い走りと操作性もあってスピード感もなかなかのもの。少人数釣行はもちろん、手前船頭でも「ちょっと、そこまで」的に"釣り散歩"するにはもってこいのモデル。燃費もバツグンに良く「一日遊んでも15Lくらい」(宮内さん)という手軽さで、気のおけない相棒にうってつけ。販売店詳細はこちら >>
そのサイズと操作性、そして浪切の良いアルミハルで少人数でのクルージングにも適したポーナム26Lは、コモンレールエンジンを搭載。上架艇のためもともと綺麗な艇体ながらハルは全塗装、アワメーターは196時間。内装も綺麗で充実している。第2会場のYBMには15年モデルのバイキング42コンバーチブルも出展。オーナー乗換えのための委託艇であるため、ZEUS搭載をはじめ、装備や状態などは文句なしの超優良艇。販売店詳細はこちら >>
MGマリーン |
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YAMAHA FSH190 |
MGマリーン |
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YAMAHA 242LTD |
MGマリーン |
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PWC×18 |
ナスキージャパン |
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ヤマハ FR-27 |
アルファコーポレーション |
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ヤマハ SRV-20 |
アルファコーポレーション |
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ヤマハ SRV-20 |
今年のトピックのひとつがニュージャパンマリンのボート市場への新規参入だ。もともとトヨタとヤマハのボートをOEM生産していた同社だが、15年2月に日産マリーンから生産型の譲渡を受け、生産工場を引き継いで子会社を設立、新ブランドを立ち上げることに。「安心で斬新、飽きのこないボート作り」を掲げ事業を展開する。9月に1号艇出荷予定。
国産量産型ボートとして初めてIPS方式のエンジンを採用したEXULT 36 SSをはじめ、国内初となる船外機の操船制御システム「HELM MASTER」を採用したスポーツクルーザー、SR320FBなどを出展。BOTYの国産中型艇部門賞を獲得、ボートオブザイヤーでも非常に高い評価を得た242LIMITED-Sほか、多彩で"魅せる"展示内容は相変わらずだ。。
トヨタとヤンマーは、マリン事業分野において、技術開発、生産、部品の相互利用などの幅広い分野で業務提携を結ぶことを発表。その魁として、FRP材をベースにアルミ材とカーボン繊維を融合させた新開発の「トヨタハイブリッドハル」を採用した小型高級マルチパーパスクルーザー、「TOYOTA-28 concept」を参考出展。今後の動向に注目したい。
BOTY2015の国産大型艇部門賞に輝いたEX38を出展。同モデルは居住性能とフィッシング機能の両立をコンセプトとしたフィッシングクルーザーで、昨年秋にデビュー。フィッシングボートとしてのスキルに定評のあるヤンマー艇らしく、いい意味で無骨で硬派なモデルだ。また、昨年に引き続き、"走れるパイロットハウス型ボート"のEX30Bも出展。
昨年、50週年を迎えたスズキは「The Ultimate 4-Stroke Outboard」をスローガンに出展。直列4気筒DOHC16バルブエンジンの「DF150ST」をはじめ、スズキ・リーンバーン(希薄燃料)制御システム搭載の4スト船外機「DF115A」マットブラック仕様を展示。NMMAイノベーションアワードの常連、スズキ船外機のラインナップはなかなか壮観。
フネに合わせてレバーの取付け向きを4パターンにアレンジできる反転レバー機構を搭載し、オールインワンパッケージによりリギング性を向上した「新サイドマウントリモコン」を展示。また、今夏アメリカで発売開始予定のBF250のプロトタイプモデルも展示。いまでは当たり前となった4ストの先駆者であるホンダの挑戦はまだまだ健在という印象だ。
1965(昭和40)年の船外機生産開始から60週年を迎えるトーハツは、その歴史を伝える内容を展開。現在のトーハツブランドのシンボルともいえるクラス最軽量のライトウエイトモデル「エコスポーツ」ファミリーをはじめ、昔懐かしい船外機モデルを多数展示する「資料館」的展示は社会科見学っぽくもあり、興味をそそられたファンも多かったようだ。
「分かりやすい操作で迷わず使いこなせる」を掲げる、プロッター魚探のカンタンナビ「HE」シリーズなどを多数展示。HONDEXのブースはいつも多くの人で賑わっているが、なかでも注目を集めていたモデルがGPS内蔵ポータブル魚探「PS-511CN」(今春発売)だ。コンパクトで高性能なこの分野にも日本製品の高品質ぶりを見ることができる。
各方面で高く評価されている「NAVnet」が、詳細な海域情報や漁具定置箇所、マリーナなどの情報を満載したnew pecを新たに標準装備して登場。また、高画像処理技術RezBoost(独自技術で従来の送受波器をそのまま利用、より鮮明な解像度で映像表示できる技術)を搭載した2周波液晶魚探のニューモデル、FCV-588、FCV-628などを展示した。
人気の高いイタリアンボートビルダー「AZIMUT」。第2会場で、イタリアボートらしい華麗なスタイルと流麗なラインとルックスをもつサロンクルーザー「45FB」を展示した。フネの特徴はスタイルのみならず、しっかりとした作り込みにもある。巡航で27~28ノットの走り、サンパッドを敷き詰めた割り切りの良いFBレイアウトにも好感が持てる。
キーサイドはVIKING 42 OPEN(新艇)とVIKING 42 CONVERTIBLE(15年モデルの中古艇)を第2会場に展示。ZEUSを搭載した「42オープン」は、その名の通りのオープンスタイルのスポーツフィッシャーマン。外観はいかにもそれらしいスタイルだが、サロンやマスターステートルームなどは規格外の広さ。走りと作りはバイキングらしく質実剛健。
リビエラリゾートは、イタリアの老舗ボートビルダー・クランキの主軸である「CRANCHI SIXTY 6 FLY(クランキ66フライ)」を出展。ボート造りを初めて約1世紀半という長い歴史を刻むビルダーらしく、その堅実な経営に評価が高い。細身のプロポーションで最高速度は30ノット半ばという走りも魅力、シックで上品、上質な内装&デザインも秀逸。
「SPIDER 46 GTS」は、スタイリングはスポーツクルーザーで、ハルカラーはブラック、上塗りはゴールドというド派手なカラーリングながら品がある。IPSを前提としたハル構造で走りと居住性を重視したモデル。家具は職人の手作り、チーク敷のサロン内部はカスタマイズできる。"楽しくなければフネではない"という精神で造られたというのも納得。
パシフィコ横浜では13年からスタートした「マリーナネットワーク」をPR。ユーザーにとっては、遊びの幅を大きく広げられる可能性を秘めているだけに年々、ブースを訪れる人も増えているように感じられる。第2会場では英国サロンクルーザーの名門、フェアライン「SQUADRON 50」、根強い人気のグランドバンクス「41 EU」(中古)を展示。
2015年の『日本ボート・オブ・ザ・イヤー』に輝いたのはオカザキヨットの「DELPHIA Escape 1100 S」。ポーランド生まれのボートだ。セーリングボートのデザイナーが設計したというだけあって、独創的なデザインだが、外洋でも走行できる高い走破性と、独自性のあるサロンなどが高く評価された。「"もっと海を楽しく"というスローガンにぴったりなフネ。それを評価していただけたと思いますので、非常に光栄に思います」とは代表取締役の岡崎浩資朗氏。こういった個性的なフネが評価されるというのも、同賞が年数を重ねてきたからこそなのだろう。